「無」と聞くと,あなたは何を思いえがきますか? 数字のゼロや真空を想像するかもしれません。もしかしたら,時間も空間も存在しないような「究極の無」を考える人もいるかもしれません。 たとえば,家具などがないからっぽの部屋の中は,無であるといえるでしょうか? そこには,私たちの目には見えない原子や分子が漂っています。それらも存在しない「からっぽの空間」,つまり真空はどうでしょうか? 本当に,そこには何もないのでしょうか? また,宇宙はいったいどのように誕生したのでしょうか? 無から有が生まれることはあるのでしょうか? 「無」の探求は,現代物理学の歴史そのものともいえます。本書とともに,さまざまな観点から「無」について考えてみませんか?
|