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量子力学の誕生から100年,そして戦後80年の節目となる2025年に,日本物理学会とドイツ物理学会は共同で,「未来への宣言」を発表しました。宣言では,量子力学による革命が人類に恩恵をもたらしたとのべる一方で,物理学の成果が悪用された歴史を振り返りました。その典型的で最悪の例が,広島と長崎に投下された原子爆弾です。日本とドイツの物理学会は「物理学の平和的応用を推進することを誓う」と宣言しました。 物理学が悪用される懸念は,過去だけのものではありません。「人工知能(AI),量子技術,宇宙技術といった新たな破壊的技術が核兵器システムに導入されることは,深刻なリスクをともなう」と宣言は警鐘を鳴らします。 次号の特集では,核分裂の発見という物理学の成果が軍事的に応用された過程をたどります。そして,戦後に平和活動や核廃絶に取り組んだ科学者たちの歩みをみていきます。「物理と平和」という,人類の未来にとってきわめて重要なテーマを,読者の皆さんとともに考える特集をお届けします。
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写真:DPG-MuensterView
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●1938年「ウラン核分裂の発見」はなぜ世界の物理学者をおどろかせたのか ●アメリカ大統領に原爆開発を決意させた「アインシュタインの手紙」 ●原爆開発計画「マンハッタン計画」に世界トップクラスの物理学者が集結した ●マンハッタン計画を離脱した唯一の科学者ロートブラットと「パグウォッシュ会議」 ●湯川秀樹,朝永振一郎。平和と核廃絶を希求した日本の物理学者 ●日独物理学会「未来への宣言」全文を掲載。ドイツ量子フェス「Quantum100」をレポート
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南極は今,科学者の注目を最も集める地域です。南極で進展する気候変動は,世界中で海水面を上昇させるおそれがあります。さらに,動物の体に観測装置をつける「バイオロギング」や,素粒子を通じて宇宙を調べる「IceCube」などのさまざまな最新研究が進行しています。次号では気候や生物,宇宙を中心に,南極で進む最先端の研究を解説します。
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写真:NASA/GSFC/OIB
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●「西南極」を中心に,毎年平均100ギガトンの氷が失われている ●ペンギンに取りつけたカメラが,氷の下で捕食の瞬間をとらえた ●「氷を利用した素粒子観測装置」が,超高エネルギー宇宙線の謎を解く ●日本の「南極地域観測」と「次世代望遠鏡」が,地球と宇宙の歴史に挑む
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