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ニュートン別冊 無とは何か

ニュートン別冊

無とは何か

「何もない」世界は存在するのか?

量子論のすべて 新訂版
 
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ISBN978-4-315-52207-5
A4変型判並製/カラー4色刷/176ページ
発行年月日:2020年2月5日
定価:本体1,800円+税

 

 

 何もないことをあらわす「無」。そう聞くと,「からっぽの空間」,つまり真空を想像するかもしれません。さらに,空間すらも存在しないような「究極の無」を思いえがく人もいるでしょう。
 現代物理学によると,真空はただの「からっぽの空間」などではありません。空間から物質をすべて取り除いても,そこには奇妙なものたちが満ちあふれているというのです。また,真空それ自体が,劇的にその状態を変化させるといいます。さらに,現代物理学は,「究極の無」にもせまりつつあります。
 本書は,2018年に刊行し好評いただいた『無(ゼロ)の科学』の増補改訂版です。無の探究とともに進化してきた現代物理学の解説もまじえながら,「無」のおどろくべき正体にじっくりとせまります。

 

CONTENTS

  • プロローグ
    「無」とはいったい何か?
    無を知れば,世界の本当の姿が見えてくる!
     
    1 「ゼロ」とは何か?
    さまざまなゼロ
    古代文明のゼロ
    ゼロの発見
    ゼロと無限
    微積分
    絶対温度0度
    抵抗ゼロ
    質量ゼロの光子
    大きさゼロの天体
    見かけの速度ゼロ
    密度ゼロの空間
    無からの宇宙創生
     
    2 身近な「真空」の世界
    真空をめぐる論争
    真空の実在を証明した実験
    超高真空
    身近にある真空
    電子の雲
    Topics 「原子はある」となぜいえる?
     
    3 「存在する」とはどういうことか
    波と粒子の二面性
    光の波動説
    光量子仮説
    ボーアの原子模型
    電子の波
    コペンハーゲン解釈
    状態の共存
    量子論における「観測」
    多世界解釈
    不確定性原理
     
  • 4 真空にある“何か”
    光の粒子が飛びかう宇宙
    ダークマター
    わきたつ真空
    カシミール効果
    真空に満ちるヒッグス場
    変形する無の空間
    ダークエネルギー
    真空と宇宙の進化
    真空の姿
    もっとくわしく! 不確定性原理
    もっとくわしく! 場の量子論
    もっとくわしく! 真空の相転移
    Column 自然界の最小部品「素粒子」
    Topics 宇宙を破滅に導く真空崩壊
     
    5 何もない「無」が宇宙を生んだ?
    宇宙創生の謎
    宇宙空間は不変ではない
    宇宙のはじまりは点?
    宇宙の存在のゆらぎ
    無からの宇宙創生
    無境界仮説
     
    6 超ひも理論と「究極の無」
    点からひもへ
    「究極の理論」の候補
    「ひも」はどんなもの?
    隠れた次元
    ひもがくっつく“膜”
    親宇宙と子宇宙
    輪廻する宇宙
    ブレーンの衝突
    ホログラフィー原理
    Topics 「見えない次元」をさがしだせ!
     
    エピローグ
    「無」と「有」の探究は,これからもつづく
     

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