数学の重要さはなんとなく理解できるけれど,数式がどうしても好きになれない,という人は多いかもしれません。数学は,社会の至る所で使われているにもかかわらず,そのことに目を向ける人は圧倒的に少ないのが現状です。 実は,数学の面白さや奥深さを味わうのに,数式は必ずしも必要ではありません。たとえば,ギャンブルは長い目で見れば勝てないものであることが知られています。そのことの裏付けを与えてくれるのが数学ですが,その仕組みは図だけでも大まかに理解できます。興味深いのは,その背後にある「確率」の考え方が,極微の粒子の運動を説明する量子力学にも深く関係していることです。これらのことを聞いて,もっと知りたいと思ったあなたは,すでに数学のとりこになっているといっていいでしょう。 本書は,数式が苦手という方にも抵抗なく手に取っていただけるよう,「教養の数学」「エレガントな数学」「実用の数学」「謎解きの数学」「人生必修の数学」という五つのテーマを設けました。まずは興味のあるところから読んでみてはいかがでしょう。
|