アイザック・ニュートンが明らかにした「万有引力の法則」は,宇宙と天体の運動を解明する手がかりをあたえてくれました。観測技術が発展した今では,130億光年かなたまで宇宙を見渡せるまでになっています。
本書は,著者の東京大学名誉教授の祖父江義明先生の案内で,天文学で使う単位や法則,さまざまな天文現象を紹介しながら,地球を出発して宇宙全体までをやさしい計算でめぐります。天体までの距離や銀河の回転運動,宇宙の質量などの具体的な数値を求めていくことで,宇宙の全体像を実感をもって理解していただける内容になっています。
天文・宇宙ファンの読みものとしてだけでなく,高校から大学院までの演習に使えるような話題も豊富に掲載。天文学者をめざすなら必読の入門書です。
CONTENTS
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プロローグ 宇宙の全体像 天文学で大事な三つの量 1 太陽系 地球の半径 地球の質量の簡単な求め方 月までの距離 地球の質量 月の質量 太陽までの距離と半径 太陽の質量 太陽の光度と温度 太陽の寿命 惑星の軌道半径 惑星の温度,ハビタブルゾーン 太陽系の果て 2 星と星間空間 恒星とHR図 星の等級と距離 近い星までの距離 遠い星までの距離 星の質量 星団までの距離 星の数 星の質量関数と光度関数 ブラックホールの半径 3 星間物質と星形成 星間物質 星の形成(1):星が生まれる環境 星の形成(2):重力不安定性 さまざまな不安定性 天体の波動現象 電離水素(HII)領域 星の一生と超新星 超新星の残骸 衝撃波 4 銀河系 天の川の姿 銀河系中心までの距離 太陽の公転周期 銀河系の質量 ダークマターの質量 銀河系の質量分布
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銀河系の地図をえがく 銀河中心の活動と爆発 銀河中心の大爆発 銀河中心のブラックホール 銀河形の磁場 5 銀河 銀河の形態分類 銀河の距離 銀河団の距離 アンドロメダ銀河の質量 渦状腕(1):腕ができるしくみ 渦状腕(2):腕が明るく輝く理由 渦状腕(3):棒渦巻銀河と星形成 銀河の活動(1):スターバースト 銀河の活動(2):宇宙ジェット 銀河と星の最小質量 銀河団の質量 6 宇宙 巨大ブラックホールの半径 ブラックホールのエネルギー 宇宙全体の半径と体積 宇宙の質量 宇宙の年齢 動的な宇宙 宇宙を振り返ってみよう エピローグ まとめ Coffee Break 天文用の単位 「天文学的な数」に慣れようー対数と指 微分と積分 宇宙エレベーターのケーブル 「星間吸収の法則」を使って,桜の花びらの枚数を数えてみよう 暗黒星雲に入ると真っ暗やみ 天体の回転,宇宙の南北 銀河文明ーハビタブル惑星の数 地上の渦,銀河の渦 銀河水槽実験 もしもブラックホールに吸いこまれたら? |
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