2021年8月9日,国連機関である「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第6次評価報告書が公開されました。これは,世界中の科学者の協力のもと,科学誌に掲載された論文にもとづいて,気候変動に関する最新の知見をまとめたものです。2014年に公開された第5次評価報告書では,「地球温暖化の主な原因は人間活動である可能性がきわめて高い」という表現でしたが,今回ついに,「人間の影響が気候システムを温暖化させてきたのは疑う余地がない」と断言されるに至りました。地球温暖化は,まちがいなく人間のせいということです。 その後,2021年10月31日から11月13日にかけて開催された「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)」で,産業革命前からの気温上昇を「1.5℃以内におさえる」という目標が正式に合意されています。目標達成のためには,世界的に温室効果ガスの排出を減らしていく必要があります。このような情勢の中,日本は,温室効果ガスを2030年までに46%削減し,2050年までに「カーボンニュートラル」にすると宣言しました。カーボンニュートラルとはいったい何で,その達成にはどのような取り組みが必要なのでしょうか。 Newton別冊『地球温暖化の教科書』は,素朴な疑問をはじめ,地球温暖化について知るべき情報や最新の知見を,1冊に凝縮したものです。第1章では,気候変動によって窮地に追い込まれている北極と南極の最新レポートをまとめました。溶けゆく氷河や永久凍土を前に,専門家の方々がどのような研究を行なっているのかがよくわかる記事になっています。つづく第2章では,IPCC第6次評価報告書を解説し,第3章では,地球温暖化が自然災害や生態系,農林水産業へあたえる影響について解説しています。そして,第4章では,自然エネルギー開発といった地球温暖化への対策について概説しています。最後の第5章では,温暖化との関連の有無を問わず,今世界でおきている自然災害についてのレポートを掲載しました。 地球温暖化という言葉は,今やだれもが知っている普遍的な言葉になりました。その実態を正確に把握するための1冊として,ぜひこちらの別冊をお手に取ってご覧ください。
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