「次元」と聞くと,異次元世界が登場するマンガやSF作品を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし次元は科学の世界でも,とても重要なテーマとなっています。 次元の概念を学問として体系化したのは,古代ギリシアの数学者で天文学者のユークリッドだといわれています。ユークリッドは研究書『原論』において,「点・線・面・立体」の性質をはじめて定義しました。 次元とは「動くことのできる方向の数」だと考えるとわかりやすいでしょう。たとえば線は前後一方向にしか動けないので1次元。平面は縦・横に動けるので2次元。立体は縦・横・高さの三方向に動くことができるので3次元といったぐあいです。つまり,縦・横・高さからなる私たちが暮らす世界は3次元空間ということになります。 20世紀のはじめ,天才物理学者のアインシュタインは,この3次元の空間に,時間の1次元を加えて,この宇宙は「4次元時空」だと考えました。こうしてつくられたのが時間と空間の理論である「相対性理論」です。 そして現在,最先端の物理学では,この世界には,3次元をこえる「高次元空間」が丸まってかくれているのではないかと考えられています。宇宙創生の謎にせまる最新の理論によると,この世界は9次元空間だというのです。 本書は,次元をめぐる講義です。本書を読めば,今までとはちがう世界観がひらかれることでしょう。私たちが見ている3次元世界は,そう“見えるだけ”で,この世界はもっとことなる姿をしているのかもしれません。 |