ダイエットを決意したのに,つい目の前のケーキに負けてしまった! という経験はないでしょうか。あるいは,定時で帰ろうと思ったのに,上司に合わせて誰も帰らない空気に押されて,何となく残業をしてしまったことはありませんか? また,どちらの商品を買うか迷ったとき,CMで何度も目にしている商品を選びがちではないでしょうか。 このような,私たちが何かをしようとしたり判断を下そうとするときに発動する心のはたらきを「心理」といいます。そして,人の心がはたらくしくみを,科学的な手法を用いて明らかにしていくのが「心理学」です。 「心」は,私たちの社会生活の営みすべてにかかわります。それゆえに,一口に心理学といっても,その分野は多岐にわたります。たとえば,個々の行動や判断の違いをもたらす“性格”を研究する「性格心理学」,集団の中での人のふるまいや考え方のくせを研究する「社会心理学」,各年齢ごとの心や性格の発達・変化を研究する「発達心理学」もあります。また,心は傷つき,健康を損なってしまうこともあります。「臨床心理学」では,心が問題をかかえたとき,その悩みを解決するための支援の方法を研究しています。このように,「心理学」は,私たちの生活をより豊かに,よりよいものにしていく学問といえるでしょう。 本書は,「心理学」についてのニュートン先生の講義です。この本を読めば,日常生活に役立つちょっとした心理から心のケアに至るまで,私たちの心に対する理解を深めることができます。日々の生活が楽しく,充実したものになるよう,ニュートン先生の心理学講義を,ぜひお役立てください。 |