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ニュートン先生の死とは何か講義

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ニュートン先生の死とは何か講義

 
ニュートン先生の死とは何か講義
 
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ISBN978-4-315-52976-0
四六判/184ページ
発行年月日:2025/12/10
定価:1,320円(税込)

 

 

 「死」は,多くの人にとって,なるべく遠ざけておきたいものでしょう。しかし,生あるものには必ず「死」が訪れ,逃れることはできません。なぜ生き物は死ぬのでしょうか? なぜ永遠に生きていることができないのでしょうか?
 生物はもともと,自ら分裂して増殖(無性生殖)する「1 倍体生物」しかいませんでした。つまり,生物が誕生した当時,「死」は存在しなかったのです。ところが,進化の過程で,雌雄が合わさって増殖(有性生殖)する「2倍体生物」があらわれました。分裂して増殖するだけの1倍体生物とことなり,2倍体生物は雌雄の遺伝子が混ざり合うため,ことなる性質をもつ個体が誕生します。つまり,「寒さに強い」とか「体が大きい」などの多様性が生まれるのです。
 個体が成長すると,親は死にます。しかし,少しずつ性質のことなる遺伝子を残し,多様性を増すことができれば,たとえば急激な環境の変化がおきたとき,それに対応できる遺伝子をもつ個体は生き残ることができ,種の絶滅を防ぐことができます。生物を取りまく環境は常に変化し,その変化に耐えられなければ,生物は絶滅してしまいます。つまり,死は生命をつなぐための“戦略”であり,生物が進化していくための原動力ともいえるのです。
 本書は,「死とは何か」を,科学的な視点でひもといていくニュートン先生の講義です。この本を読めば,今まで見えなかった「死」についての新たな側面が見えてくることでしょう。
 

CONTENTS

  • 【試し読み】NewtonT_death_1.jpg
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    1時間目:「生」と「死」の境界線
    「死」を理解する第一歩は「死因」の特定
    温度,水分,酸素……命はどこまで耐えられる?
    人の「死」を決定づける三つの特徴
    生命維持の要は「脳幹」
    似ているけど全然ちがう,植物状態と死
    意識はあるのに体が動かない「閉じ込め症候群」
    現代のもう一つの死「脳死」
    死んだ個体と生きている個体は何がちがう?
    死んだ生き物の体は,時間がたつとくずれていく
     
    2時間目:死につつある体では何がおきるのか
    臓器の機能低下が心停止をまねく
    心臓は,突然停止することがある
    心臓が止まると,すぐに脳細胞の死がはじまる
    心肺停止は3分間が勝負
    死の間際,脳は最後の信号を出す
    死後数時間で,全身の筋肉は固くなる
    命が尽きても,臓器は生き続ける
    死は予測できるのかもしれない
    年齢が高くなるほど死への恐れが少なくなる
     
  • 3時間目:死へとつながる老化
    脳の老化は20代からはじまる
    脳が老化すると,体の動きがにぶくなる
    筋肉は「速筋」から衰えていく
    筋肉が衰えると,生命維持機能が低下する
    基礎代謝が落ちて体が太る
    骨の老化「骨粗しょう症」
    老化の象徴「しわ・白髪」
     
    4時間目:細胞の死と,人の寿命
    毎日4000億個の細胞が死んでいる
    自死には「定期券タイプ」と「回数券タイプ」がある
    回数券タイプの細胞の自死「アポトーシス」
    「テロメア」が細胞の老化具合を決める
    「活性酸素」が細胞を老化させる
    がんは,テロメアを操作して不死化する
    脳細胞の死が進みすぎるアルツハイマー病
    人類は死をどこまで遠ざけられるのか?
    寿命は有性生殖からはじまった
    ゾウリムシに見る死のしくみ
    DNAの変異が進化に結びつく!?
    生物の寿命を決める要因は,よくわからない
     

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