発達障害は、主に「自閉スペクトラム症(ASD)」「注意欠如多動症(ADHD)」「学習障害(LD)」の3タイプに分けられます。いずれにしても「生まれつきの脳の特性」であり、個人の心の弱さや努力不足、親の育て方とはまったく関係がない点は、正しく認識していただきたい大切なことです。 本書は最新の脳科学と行動心理学をもとに、症状別の特性や脳との関係、治療薬の有無、周囲の人や仕事との上手な関わり方など、発達障害の基本や現状、症状に対するくふうのしかたについて、やさしく解説しています。また近年話題になっている「大人の発達障害」や、発達障害を脳機能の多様性ととらえ、特性を生かせる社会をめざす「ニューロダイバーシティ」という考え方、その実際の取り組みについても紹介しています。 本書が発達障害をかかえる人にとっても、周囲の人にとっても、より理解を深め、「たがいに尊重し合いながら生活できる社会」をめざすための一助となれば幸いです。
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