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サイエンス超簡潔講座 うつ病

サイエンス超簡潔講座 うつ病

メアリー・ジェーン・タッキ, ジャン・スコット (著), 稲田 健(監修), 大庭有美, 林カオリ(訳)

 
サイエンス超簡潔講座 うつ病
 
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ISBN978-4-315-52339-3
四六判/192ページ
発行年月日:2021年3月15日
定価:1900円(税込)

 

 現在,うつ病は先進国で最も一般的な精神疾患で,WHO(世界保健機関)の推定によると,世界人口の約15%が,一生涯のいずれかの時点でうつ病を経験します。しかし,うつ病という概念はいまだに定まっておらず,「感情や気分の状態としてのうつ」なのか,「個人の人格としてのうつ」なのか,「精神障害としてのうつ」なのか,はっきりと区別はついていません。
 本書は,うつ病が「メランコリア」と呼ばれていた古代ギリシャの時代から精神疾患の歴史をたどり,ジークムント・フロイトといった近代精神医学の父と呼ばれる人たちのうつ病に対する考え方などを紹介。うつ病の概念を論ずるとともに,精神障害の分類がどのように発展し,昔ながらの治療法から、いかにして現代的なうつ病・躁うつ病の治療法へと進化していったのかを説明します。
 うつ病に関して知っておきたいことをコンパクトにまとめた,入門書として最適の1冊です。

 

CONTENTS

  • はじめに
    第1章 メランコリア小史
    黒胆汁からストア派哲学者まで
    中世のメランコリア
    悟りの時代から近代精神医学の誕生まで

    第2章 現代のうつ病の診断と分類
    クレペリンと精神病の分類
    フロイトと神経症の分類
    分界線、領域の限界を示す境界線

    第3章 どんな人がうつ病になるのか?
    疫学
    地理
    文化と民族性
    社会経済
    年齢
    性別
    婚姻関係
    生涯にわたるうつ病
    幼少期
    青年期
    子育て世代の女性のうつ病
    男性のうつ病
    自殺

    第4章 うつ病のモデル
    生物学的モデル:モノアミンと神経内分泌の仮説
    心理学的モデル:ベックの認知モデル
    社会的モデル:ブラウンとハリスによる女性のうつ病に関する研究
    バイオ・サイコ・ソーシャル( 生物・心理・社会)モデル
    家族研究
    遺伝的脆弱性
    環境の影響
     
  • 第5章 治療法の進化
    鎮静剤治療
    生物学的治療:ショック療法から迷走神経刺激まで
    薬:抗うつ剤、リチウム
    心理療法:フロイト理論から現代の実践療法まで
    現在の治療アプローチ

    第6章 現在の論争、今後の方向性
    うつ病は過剰診断されているのか?
    抗うつ薬は効くのか?
    すべての心理療法はうつ病に等しく有効なのか?
    補完代替療法
    薬物療法の今後の展開
    気分障害と概日リズム
    うつ病と免疫システム
    心理療法の今後の研究と神経科学との連携

    第7章 現代社会のうつ病
    疾病による世界的な負担の測定
    うつ病の経済学:職場でのうつ病
    経済的損失
    メンタルヘルスと富:メンタル資本の概念
    スティグマとうつ病
    うつ病と創造性

    参考文献

FAQ