「数をかぞえる」。人類が誕生して現在に至るまで,多くの人が取り組んできた営みです。でも,わかりやすくかぞえるために使ってきた「数字」が現在のようなかたちで整備されたのは,そう遠い昔ではありませんでした。 本書は,現役の数学者が「数ってどんなもの?」,「計算するってどういうこと?」という疑問をわかりやすく解説した本です。たとえば,私たちは「10」をキリよく気持ちのよい数字と感じますが,それはなぜなのでしょうか? その理由は,私たちの指の本数が「たまたま」両手で10本だったから,なのです。 現在の「アラビア数字」で表される数字の表現はとても便利ですが,エジプト,ローマ,中国や日本など,独自の数字表現を使ってきた文化は世界中に見られます。「数の性質」に興味をもつ筆者の手によって,それぞれの表現方法がもつおもしろい性質が解き明かされていきます。 算数や数学は苦手なんだ……という人にこそオススメしたい,数字に親しむひとときを味わえる一冊です!
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