本書は,単に鉱物の種類を紹介する本ではありません。 鉱物の種類や名前のつけ方のルール,鉱物がどこから,どのように生まれてくるかなど,「これが知りたかった」という鉱物のあれこれをぎゅっと詰めこんだ一冊です。 「鉱物」と「岩石」は何がちがうのか。「石 」と「水晶」と「クリスタル」は同じものなのか,など,なんとなくもやもやしたままにしている知識はありませんか? 本書は,そうした「知っているけれどあいまい」な情報が,すっきりわかるようになります。 たとえば宝石では,「赤いルビーと,青いサファイアは同じ鉱物」というのはご存知の方が多いかと思います。どちらも「コランダム」という鉱物です。 鉄やチタンを含んだものは青く,クロムを含んだものは赤く見えます。 なぜその色に見えるのかなど,色や形のちがい,化学組成によるちがいを楽しく眺めながら理解していけます。 また リチア輝石などのように,美しいものは宝石になるけれど,産業にも使われている鉱物があります。 リチア輝石は,「リチウムイオン電池」などに欠かせない「リチウム」の原料なのです。 本書は,私たちの暮らしに身近な鉱物を中心に,「宝石として愛されている鉱物」「レアメタルの原料となる鉱物」など,用途ごとにわけて紹介しています。 壺や皿などの陶磁器に欠かせない粘土から,電子機器に使われるレアメタルまで,どんな鉱物から,どのように原料が取り出されていくか,なぜレアメタルが「レア」なのかも,わかりやすいビジュアルで解説しています。 きれいで奥深い「鉱物」の世界を,どうぞお楽しみください。 |
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