東京大学の先生伝授
文系のためのめっちゃやさしい
電車が急ブレーキをかけたとき,倒れそうになった経験はありませんか? 救急車が通り過ぎるときに,サイレンの音が急に低くなるのを聞いたことはありませんか? このように,私たちの日常生活は,不思議な現象に満ちています。 物理とは,「自然界のルール」を探り,私たちを取り巻くさまざまな現象のしくみを解き明かしていく学問です。たとえば電車が急ブレーキをかけたときに倒れそうになるのは,「慣性の法則」というルールのせいです。また,救急車のサイレン音の変化は「ドップラー効果」という現象で説明できます。 本書では,物理の基本を,生徒と先生の対話を通してやさしく解説します。本書を読めば,ありふれた日常の風景が,まったくちがったものに感じられるかもしれません。どうぞご一読ください。
STEP1. 物理学って何?物理学は,自然界のルールを解き明かす学問
STEP1. 運動の基本ルールを知ろう ニュートン力学は,物理学の出発点 燃料なしで進みつづける! 宇宙探査機ボイジャー1号 慣性の法則を発見したガリレオとデカルト 時速200キロの剛速球を投げるには 車が動きだすためには力が必要 無重力の宇宙でも,体重は測定できる 摩擦がなければ歩けない バスが急ブレーキをかけると乗客に力がはたらく 水泳のターンでは,壁が体を押してくれる 偉人伝① 近代科学の父,ガリレオ・ガリレイSTEP2. すべての物体にはたらく万有引力真空では,重い物も軽い物も同時に落ちる 私たちと地球は引っ張り合っている 高速で動く月が飛んでいかないのは,なぜ ボールを超高速で投げると,人工衛星になるSTEP3. エネルギーって何?野球を力学的に考えてみよう はやぶさ2は,燃料を後ろに捨てて加速した テニスボールのエネルギーの量は,ずっと変わらない スピーカーは,電気エネルギーを音に変換 滑車やてこを使ってもエネルギー的には得をしない 偉人伝② 物理学の基礎を確立,アイザック・ニュートン
STEP1. 身のまわりにあふれる波 音と光は,どちらも波。だがゆれる方向がちがう 音は,空気の薄い部分と濃い部分が交互に伝わる現象 光の正体は電気と磁気の波 地震波は,2回やってくる STEP2. 波がおこすさまざまな現象救急車の音の高さが変わるのは,波の長さが変わるから 物が見えるのは,反射のおかげ コップに水を入れると,底の500円玉が浮き上がる 夜,音がよく聞こえるのは屈折のせい シャボン玉の膜は,光を強め合ってカラフルに見える 声は,壁をまわり込んでやってくる 空が青いのは,空気が青色の光を散乱するから 高い建物ほど,地震でゆっくりゆれやすい バイオリンの弦には,「進まない波」があらわれる
STEP1. 似たものどうしの電気と磁気電気も磁気も,はなれた場所に力をおよぼす 電気力線と磁力線で電場と磁場をあらわそう スマホが熱くなるのは,導線の原子がゆらされるからSTEP2. 発電とモーターのしくみを知ろう 導線に電流を流すと,磁石になる 発電所は,磁石をまわして電流を生みだす 家庭の電気は,向きが常に入れかわっている 「フレミングの左手の法則」で導線にかかる力がわかる コイルが回転して,モーターができる ! 電気と磁気が光をつくる
STEP1. 大きなエネルギーを秘めた原子原子の大きさは1000万分の1ミリ 原子は,原子核と電子でできていた! 電子の正体は波!? 太陽の中では,水素の原子核が融合している 現代物理学のかなめ,量子力学と相対性理論 偉人伝③ 量子力学を築いた,エルヴィン・シュレディンガー
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