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宇宙天体百科

2018年9月号

今月の星座
▲クリックすると,拡大画像が表示されます。

星図の日時

08月01日 23時
08月15日 22時
08月31日 21時
09月15日 20時
09月30日 19時

月の満ち欠け
(星図の月は23時)

07月28日 満月(望)
08月05日 下弦
08月11日 新月(朔)
08月18日 上弦
08月26日 満月(望)

ペルセウス座流星群

渡部潤一 国立天文台副台長

 毎年のように多くの流星が出現する流星群の一つが,8月中旬の「ペルセウス座流星群」である。ペルセウス座流星群の放射点(流れ星がそこから放射状に流れるように見える点)は,秋の星座である「ペルセウス座」にある。そのため,日没後すぐに出現することはなく,ペルセウス座が北東から上ってくる深夜から明け方の時間帯にあらわれる。
 流星が見ごろをむかえるのは8月11日から14日にかけてだ。放射点が高く上る明け方近くに,月明かりや光害がない夜空を見上げれば,多くの流星を数えることができるだろう。  


生みの親は周期133年の彗星
 ペルセウス座流星群の生みの母親は,1862年に発見された周期133年ほどの「109Pスイフト・タットル彗星」である。周期が長いために,当初は正確な軌道がわからなかった。のちに,この彗星は1737年に中国で観測された彗星と同一であることがわかり,彗星の回帰が1992年11月下旬と予想された。
 この予想はあまり知られていなかったが,実際,1991年と1992年のペルセウス座流星群は例年より出現数が多かった。1991年に,私は京都大学のレーダー装置でペルセウス座流星群の観測を行っており,そのデータを解析して論文にした。彗星の回帰が予想されていたからではなく,たまたまレーダーで流星を観測してみようと考えたのだった。
 ペルセウス座流星群の出現数が多かったので,もしかすると母彗星が回帰するのでは,と思った。そして実際,そのとおりになった。1992年9月26日(日本時間27日)に,日本のアマチュア天文家・木内鶴彦氏によって,母彗星が再発見されたのだ。  


彗星由来の砂粒が流星群を生む
 ペルセウス座流星群は毎年,ほぼ同じような出現数をみせることが知られている。しかし,上記のように,通常よりも活発に流星が出現する年がある。最近では2009年に,通常の1.5倍ほどの流星があらわれている。このような流星の活発な活動は,比較的新しい砂粒の群れによるものと最近の研究では考えられている。
 母彗星は,太陽に近づくたびに,彗星から蒸発するガスとともに大小さまざまな砂粒を吹きだす。それらは彗星の軌道を周回しつづける。
 新しい砂粒ほど密集度が高く,逆に,古い砂粒は彗星の軌道上に広がってしまい,密集度が低くなる。きわめて古い砂粒の群れは,彗星の軌道を一周するほど均等に分布している。毎年,ほぼ同じ時期に出現を見せるのが,このきわめて古い砂粒によるものだ。おそらく,彗星から放出された時期は少なくとも1000年以上前と考えられる。母彗星そのものは,紀元前から出現が記録されていることがその後の研究でわかったので,さもありなんである。
 一方,新しい砂粒はまだ密集しており,それらが木星や土星の重力でしばしば母彗星から引きはなされることがある。そして,地球軌道との交差点にさしかかると,流星の出現数がそれだけふえる。2009年のペルセウス座流星群の活発な出現は,1862年に母彗星が太陽に近づいたときに放出した砂粒の群れの一部による影響であるとする研究結果がある。
 こうした研究結果が正しいとすれば,次は2027年と2028年に,1479年に彗星から放出された砂粒の分がふえるという。実際に流星の出現数がふえるかどうか,楽しみにしたい。

星ごよみ

●8月1〜7日 スターウィーク

この1週間以外でも夏休みを通して,全国各地の天文関連施設などでさまざまな催しが行われる。

●8月11日 部分日食

北欧やシベリアなどで部分日食となるが,日本では見られない。

●8月13日ごろ ペルセウス座流星群の極大

11日〜14日の明け方に最も流星の数が多くなり,1時間あたり十数個は見られる。新月すぎなので月明かりがなく,観測条件はよい。

817日 伝統的七夕

各地でライトダウンなどの催しが行われる。

●8月18日 金星の東方最大離角

宵の明星,金星が太陽から東へ約46度はなれ,明るく輝く。