細胞の中のさまざまな構造の中でも,DNA分子は最も長いものです。もしヒトの細胞1個のDNAを解きほぐすとすれば,その長さは何と2メートル近くにもなります。
それを小さな核の中に収納するために,DNAは「ヌクレオソーム」とよばれる単位構造にまとめられています。ヌクレオソームでは,「ヒストン」とよばれる4種類の小さいタンパク質2個ずつ(合計8個)からなるコア(芯)のまわりにDNAが巻きついていて,まるで糸に通したビーズのようにみえます。このビーズの間のDNAにもう1種類のヒストン(ヒストンH1)が1個結合しています。それ以外に非ヒストンタンパク質が,ヌクレオソームにさらに結合しています。核の中ではこのヌクレオソームのビーズがさらにコイルを巻いて高密度な構造をとっています。
核の中でDNAとタンパク質とが結合した複合体が「クロマチン」です。クロマチンには遺伝子が転写されてメッセンジャーRNAがつくられる活性クロマチンと,転写がおきない不活性クロマチンがあります。