ほとんどの真核生物細胞の中にみられ,2枚の膜からなるだ円形をしています。細胞のエネルギー源(ATP:アデノシン三リン酸)を合成する,細胞内の発電所です。
外側の膜は細胞質に接していますが,内側の膜はとても複雑に入り組んだ形をしていて,エネルギー生産に必要な酵素はここに存在しています。
酸素があるとミトコンドリアは,酸素を使ってグルコース(単糖)を水と二酸化炭素に分解し,エネルギーを取りだしてATPを合成します。この反応を「呼吸」といいます。呼吸では,グルコース1分子を分解して,32分子のATPがつくり出されます。このATP分子1個には2本の高エネルギー化学結合が含まれていて,この結合が酵素によって切られるとき細胞が利用できるような形で化学エネルギーが放出されます。
ミトコンドリアの重要な機能を考えると,ここで大きな疑問が浮かんできます。ミトコンドリアはどうやって細胞呼吸(細胞内でのエネルギー生産の化学反応)に必要な酸化酵素を集めるのでしょう。
一つの答えは,大部分のミトコンドリアタンパク質(とても重要な呼吸酵素類も含まれている)は,シャペロニンというタンパク質の助けを借りて小胞体からミトコンドリア内の目的地へと運ばれてくるというものです。シャペロニンは「つきそい」を意味しています。実際多くの細胞小器官にとって,特定の有機化合物がちょうどよい時期に適切な場所に運ばれることが必要なのですが,その輸送役としてシャペロニン分子が使われているのです。