雑誌「ニュートン」がめざすもの
水谷 仁
科学は日進月歩でとどまるところを知らない。日々これまで謎であったものがときあかされ,また新しい謎が生まれている。これまで常識だったものが,新しい常識にとってかわられようとしている。科学の世界はまさにダイナミックな変化をとげている。ニュートンはこのような発展する科学を読者に紹介し,新しい自然観を共有したいと考えている。
また科学から派生したさまざまな技術は私たちの生活に深く浸透している。たとえば携帯電話やインターネットは10年前には想像もできなかったほど私たちの生活と深くかかわってきている。衛星放送,気象衛星からの映像も日常のことになってきている。このような技術やその背後にある科学,現在活発に開発が進められているさまざまな技術についても,ニュートンは皆様に最新の情報をお伝えしたい。
一方,科学的に自然をみるという考え方はかわらない。筋道をたてて一歩一歩理解していけば,どんなにむずかしい問題も明らかになる。木から落ちるリンゴの動きから惑星の運行まで,みんなニュートンの法則にしたがっているように,科学はできるだけ少ない原理で森羅万象を理解しようとするいとなみである。このことを考えれば,科学の世界はだれにでもわかるはずのものであり,また大変美しいものである。そして科学的な目でみれば,世界はもっと奥深く,驚異に満ちており,われわれの人生ももっと楽しいものになる。
本誌はこれからも竹内 均先生の精神を引きつぎ,科学の面白さ,科学的な考え方を伝え,科学の最前線とともに歩む雑誌でありつづけようと考えている。
竹内 均 前編集長のメッセージ
この7月で,ニュートンは満18歳の誕生日をむかえます。私にとってこれはもう夢のような話なんですね。18年ちょっと前に,東大を定年退職して,ニュートンを始めようということになったわけです。きれいな写真だとか,イラストを使う,またわかりやすい文章で書いて,というようなことを言ったんですが,みんな私の弟子たちは笑いながら,先生のような素人がそんなようなことをやっても,3か月くらいでつぶれるんじゃないかと言ってみんな大笑いしたんですね。私は3か月でつぶれちゃかなわないと思いまして,一生懸命やって,なんと18年間つづいたわけですね。
きれいなイラスト,それからわかりやすい文章のほかに,もう一つ私がつねに心がけたのが「実証」ということ。実の証拠ということですね。文科系の学者の先生はよく「弁証」ってんでね,弁舌でもって言いくるめるというような方法をとられますが,自然科学ではそういうことをやらないんです。実の証拠をたくさんあげてくるという,このやり方です。このやり方をニュートンでもずっと使ってきました。それで18年間続いたんですから,これからもそういうやり方で,ニュートンの編集をつづけていきたいと思っています。よろしくお願いします。
(竹内均前編集長は、2004年4月20日に死去いたしました。上のメッセージは、1999年に話した内容をまとめたものです。)
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