次号予告

 

 

 



私たちは“星のかけら”でできている

「元素は宇宙で
つくられた!

  私たちの体には,宇宙の歴史がきざまれています。


  人体を構成している,ある元素は,何十億年も前に太陽のような輝く恒星の中で合成されたものです。


  また,別のある元素は,恒星が大爆発をおこしたときにその衝撃で合成されたものです。
  私たち,そして身のまわりのあらゆる物質は,宇宙のどこかで生じた“星のかけら”が集まってできているのです。私たちの体は,大昔,輝く恒星の一部だったともいえるでしょう。


  次号のNEWTON SPECIALでは,“元素の誕生物語”,すなわち,宇宙の歴史の中でいかにして元素が合成されてきたのかを紹介していきます。

   

元素は「もともとあったもの」ではなく,「つくられたもの」

 

  私たち生物の体も含め,ありとあらゆる物質は,100種類ほどの元素からできています。これらの元素は,もともと宇宙に存在していたわけではありません。宇宙誕生時の灼熱状態「ビッグバン」の直後には,水素とヘリウムくらいしか存在していなかったと考えられているのです。


  生命に必須の炭素や酸素,そして鉄や金といった金属元素も,宇宙の初期には存在していませんでした。ほとんどすべての元素は,宇宙誕生から数億年経って太陽のような恒星が誕生したあとにつくられたのです。

輝く星の「核融合」が元素を生んだ

 

 ある元素から別の元素をつくるには,原子の中心にある「原子核」を変化させなくてはなりません。太陽のような恒星の内部では,原子核どうしが衝突・合体して別の元素をつくりだす「核融合反応」がおきています。恒星の輝きの源は,この反応によって発生するエネルギーです。


  恒星は,軽い元素を“種”にして,核融合反応によって,炭素,酸素,ケイ素,鉄など,より重い元素をつくっていきます。

星の爆発が,貴金属やウランを生んだ

 

 太陽の8倍程度以上の重さをもつ“重量級”の恒星は,生涯の最期に「超新星爆発」とよばれる,大爆発をおこします。超新星爆発は,恒星一つの爆発にもかかわらず,数百億〜数千億個の恒星の集まりである「銀河」全体に匹敵する明るさで輝きます。


  この爆発によって核反応がおき,金やプラチナ(白金),原子力発電の燃料となるウランといった,周期表の中でもとくに重い原子核をもつ元素たちが,つくりだされていくと考えられています。


  次号では,「元素の起源」という切り口から,宇宙の不思議にせまります。ぜひご期待ください。


------------------------主な内容-----------------------

●宇宙で2番目に多い「ヘリウム」は,宇宙誕生時の「ビッグバン」でつくられた


●“時間制限”のあるビッグバンでは,重い元素は合成できない


●恒星内部でおきる核融合反応で,「炭素」や「窒素」など,「鉄」より軽い元素がつくられた


●恒星の大爆発が,多様な元素をつくり,宇宙に元素をばらまいた


●「鉄」の仲間の元素は,連星系でおきる大爆発がつくった


●鉄より重い元素は,核融合反応とはことなる方法で合成された


●「金」,「銀」,「プラチナ」や「ウラン」は,超新星爆発の中心近くや中性子星の衝突でつくられた


●地上での実験と天文学が手を取り合い,元素の誕生物語を解き明かす


●「水銀」から「金」をつくることも可能!? 加速器を使った“現代の錬金術”とは?

 

 

【協力】

野本憲一 東京大学 数物連携宇宙研究機構 主任研究員・特任教授
超新星爆発,ガンマ線バースト,元素の起源などについて研究している。

望月優子 理化学研究所 仁科加速器研究センター 研究員
元素合成についての理論的研究と,過去の超新星爆発の探索などを行っている。

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